Enarxのアナウンス

うまくいけば、この記事は2019年のボストンでのRed Hat Summitのデモに合わせて、投稿されるはずです。

同僚のNathaniel McCallumが行うデモはEnarxを早期具体化したものです。Enarxはここ数ヶ月Red Hatで私たち数名が行ってきたプロジェクトで、世界に公表する準備ができました。コードがあり、デモがあり、GitHubのレポジトリがあり、ロゴもあります。他にはプロジェクトとして何が必要でしょうか。

それは、人です。

何が課題なのか

クラウドやオンプレミス上でシステム(ホスト)でソフトウェア(ワークロード)を実行する場合、たくさんのレイヤーがあります。意識することはほとんどありませんが、事実存在するのです。通常のクラウドの仮想アーキテクチャのレイヤーの例を以下にあげます。

異なった色はレイヤーセット違ったレイヤーやレイヤーセットを「所有」している異なったレイヤーを表しています。

classic-cloud-virt-arch

下記は似ていますが、通常のクラウドコンテナアーキテクチャを描いたものです。

上記のように色によって違ったレイヤーやレイヤーセットの「所有者」を表しています。

cloud-container-arch

これらの所有者は違ったタイプのもので、ハードウェアベンダー、CSP(クラウドサービスプロバイダ)、OEMだったり、OSベンダ、ミドルウェアベンダー、アプリケーションベンダーだったりします。ワークロードの所有者です。それぞれホスト上で実行するワークロードにとって、レイヤーは実際異なっています。もし同じだったとしても、レイヤーインスタンスのバージョンは違っているかもしれませんし、BIOSバージョン、ブートローダー

、カーネルバージョンが違うかもしれません。

さて、色々な意味で皆さんはこれらには懸念を持っていないかもしれないですね。CSPがレイヤーやバージョンの違いを自分たちの方法で気にならないようにしてくれているかもしれません。けれどここはセキュリティを語るブログです。セキュリティに携わる人のためのブログです。つまり、このブログを読んでくださっているかたは気にする、と言うことです。

私たちが気にしたければいけないと言う理由は、バージョンやレイヤーの違いだけではなく、色々なエンティティです。と言うのも機密性の高いワークロードをこのようなスタック上で安心して、信頼して実行しなければいけません。

それぞれのレイヤーとその所有者を信頼し、それらが行いたいことを実行するだけでなく傷つかないようにしなければいけません。これは機密性の高いワークロードを実行する際にはとても大きなことです。

Enarxとは?

Enarxはそのようなレイヤー全ての信頼性を担保する際の問題を明確にするのを目的としたプロジェクトです。

ワークロードを実行する人にレイヤーとその所有者を減らして、信頼すべきものを最小限に抑えようとしたいと考えています。

TEE(Trusted Execution Environments https://aliceevebob.com/2019/02/26/oh-how-i-love-my-tee-or-do-i/ 参照)を使って、以下のようなアーキテクチャに似たものを提供する予定です。

reduced-arch

このような世界ではCPUとファームウェア、そしてミドルウェアを信用する必要があります。

このミドルウェアがEnarxの部分です。

でもそのほかのレイヤー部分を全て信頼する必要はないのです。アプリケーションの統一性と信頼性を保証するためにTEEを活用するからです。Enarxプロジェクトは、TEEの証明書を提供することで、信頼できる正しいTEE上で実行していることがわかるようにするものです。コードはオープンソース、監査可能です。それによってアプリケーションの直下にあるレイヤーが信頼できるようになります。

最初のコードは公開されていて、(この時点ではAMDのSEV TEEで動きます)皆さんにお知らせできる程度には動きます。

覚えておいてくださいね、あなたのアプリケーションがセキュリティ要件に合致しているかどうかはあなたの責任です🙂

もっと知りたい場合は?

一番簡単な方法は Enarx github https://github.com/enarx をチェックすることです。

今はコードだけですが、これからどんどん情報を足していきます。

が、今しばらくお待ちください。数人しかこのプロジェクトには今時点ではいないのです。ブログは私たちのToDoリストにあったので、私はそこから始めた次第です。

私たちは、コミュニティの方々にプロジェクトに参加していただきたいと思っています。今はとても低いレイヤーでさらに知識を得ていくために尽力しています。もちろん特定のハードウェアも必要になります。そうそう、早期ブートやKVMの低層のハッカーなあなたの参加が特に必要です。

記事にコメントいただければもちろんお答えします。

 

元の記事:

https://aliceevebob.com/2019/05/07/announcing-enarx/

2019年5月7日 Mike Bursell

タグ:セキュリティ、Enarx、オープンソース、クラウド

Author: Mike Bursell

Long-time Open Source and Linux bod, distributed systems security, etc.. CEO of Profian. マイク・バーゼル: オープンソースとLinuxに長く従事。他にも分散セキュリティシステムなども手がける。現在Profianのチーフセキュリティアーキテクト

2 thoughts on “Enarxのアナウンス”

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