プロジェクトとプロダクトとセキュリティコミュニティと

全てのオープンソースが平等に作られてメンテナンスされている訳ではないのです。

この記事は https://aliceevebob.com/2019/10/15/of-projects-products-and-security-community/ を翻訳したものです。
オープンソースは良いこと、です。
オープンソースは特にセキュリティ周りにはピッタリです。

このことに関しては前の記事 Disbelieving the many eyes hypothesisThe commonwealth of Open Sourceでも書きましたが、さらに書き足したいと思います。

この記事ではオープンソースの機能、議論の余地はありますが、その欠点と利点についてついてです。さらにいうと、プロジェクトとプロダクトの違いです。

一面から話しますが(あらかじめ警告すると、組織にとっては「プロダクト」なのですが)、ここでちょっとした免責事項から始めましょう。

私はRed Hatに勤めています。そして、Red Hatはオープンソースをサポートすることで利益を得ている企業です。
これは良いことで、私はこの企業モデルを認めていますが、この記事に関してはバイアスがかかってることをはじめにお伝えします。

オープンソースがセキュリティに良いという理由は、問題があるときに何が起こっているか実際自分で見ることができる上、自分で修正することもできるからです。
もしくは現実的に言うと、問題が起こったオープンソースプロジェクトでセキュリティプロフェッショナルかつその分野のエキスパートでなければ、他の人が修正してくれるかもしれません。
その分野に詳しいセキュリティ関連の人が十分にいて、ソフトウェアプロジェクトの中の問題や脆弱性を解決してくれるのを願うばかりです。

ただ、それよりはもっと事態は複雑かもしれません。
組織としてはオープンソースを使用するには二つの方法があります。

・プロジェクトとして
コードを持ってきてどのバージョンを使うか決め、自分でコンパイル、テスト、管理をする

・プロダクトとして
ベンダーがプロジェクトを持ってきて、どのバーションか決め、コンパイル、テスト、サポートをパッケージにつけて売ります。ドキュメントやパッチ、アップデートも大抵含みます。

さて、「生」プロジェクトを使えばオプションがもっとあることを否定はできませんね。
最新バージョンをチェックして、コンパイル、テストを自由にでき、プロダクトバージョンよりも早く、さらに自分のビジネスとユースケースに合ったセキュリティパッチを当てることもできます。とても良いことのように思えます

しかしながら、セキュリティ特有の欠点があります。

1 セキュリティパッチの中には規制があるものがあります。(ブログ参照)限られた組織(大体はベンダーです)だけがアクセスできるものです。
大きなエコシステムと同時期にアクセスを得て修正できたとしても、チェックして、テストをしなければいけません。それもベンダーによってすでにされているかもしれません。(もちろん盲目的にパッチを当てることもできますが、しないで!)

2 必要性も緊急性がないのにコード変更をしたいという大きな欲求
をアップストリームプロジェクトに反映させることは、コードをフォークしているようなものです。
期日通りにアップストリームに入れこめたとしても、その期間中はアップストリームにない変更を維持していることになるので、他のセキュリティパッチがあなたのバージョンにすぐに当てられないと言う危険性があります。(これはセキュリティ関連ではないパッチにも当てはまりますが、セキュリティパッチの方が緊急性があります)
オプションとしてもちろんあなたのバージョンが他の人に使ってもらえるのであれば、プロジェクトのオフィシャルフォークにすることもできます。コミュニティにそこを推すこともできます、しかしその新しいバージョンを内部的または外部的にサポートし続けるか決めなければいけません。

3 ソフトウェアの全てのインスタンスを同じ環境で同じバージョンで稼働させているのでない限り、セキュリティパッチを古いバージョンにバックポートすることが必要です。そうするのであれば、はじめに修正を行った人と同等もしくは同等程度にセキュリティに精通していなければいけません。
この場合、オープンソースの「共同体」と言う利点を捨てるということです。つまり、コミュニティのスキルをコピーできるようなエキスパートを雇う必要があるからです。

プロダクトではなくプロジェクトをデプロイするということは、プロジェクトを内部でプロダクト化するようなものです。

セキュリティパッチの「共同体」の利点だけでなく、ベンダーサポートプロダクトモデルに本来ある「規模の経済」を失うことになります。

「範囲の経済」も失っているかもしれません。多くのベンダーはたくさんのプロダクトをサポートしています。それらのプロダクトサポートに重点を置いていない組織にとっては、ハードルが高い方法を使って、セキュリティ のエキスパートをあてがうことができるかもしれません。

このような経済学で見ると、ベンダーを使うことの「共同体」の利点がわかります。
たくさんの顧客が製品を使うということは、セキュリティパッチと主要な機能に収益構造とインセンティブを見出せるということなのです。

他のパッチや機能向上にリソースをあてがう場合もあるかもしれません。しかし、スキルのあるセキュリティエキスパートが不足しているということは、「比較優位」性が訴えるように、大きなコミュニティの利点のためにそのポジションを保持すべきなのです。

もし、ベンダーがオープンソースプロジェクトを製品化したバージョンを終わりにする、もしくはサポートを終了する場合どうなるでしょう。
そう、もちろん、ベンダー固有のソフトが持つ問題です。
ベンダーソフトの場合、3つのアウトカムがあります。

・ソフトウェアのソースコードにアクセスできないので、機能向上はできない
・あなただけがソースコードにアクセス権を与えられているが、広げることができないので孤立している
・全ての人がソースコードにアクセスできるが、機能向上させることができるコミュニティがないので、ソフトが消える、もしくはコミュニティがソフト周りを整えるのにものすごい時間がかかる

オープンソースの場合、選択したベンダーがビジネスを終了させたら、別のベンダーを使う、新しいベンダーに引き継いでもらう、自分で製品化する(その上で別の組織に提供する)、最悪の場合は内部で製品化して長期的な対策を練る、などのオプションがあります。

最近のオープンソースの世界では私たちコミュニティはオープンソースのコンソーシアムの成長とともに、これらのオプションを上手く使えるようになってきました。
コンソーシアムではソフトウェアのプロジェクトやそれに関わるプロジェクト周りで組織や団体、個人が集まって上記にあげた規模の経済と範囲の経済を模索しながら、コミュニティの成長促進、機能周りや追加機能を一律にしたり、まだ上手く定義されていないユースケースの一般的なセキュリティ周りや製品化をしたりしています。

例としては、Enarxプロジェクトも貢献しているLinux FoundationのConfidential Computing Consortiumでしょう。

オープンソースのソフトをプロジェクトとしてではなくプロダクトとして使うということは、トレードオフがあります。

しかし、少なくともセキュリティの観点から言うと、組織の経済についてはとても明確です。セキュリティのエキスパートを雇う立場出ないのであれば、プロダクトが一番ニーズにあっているのです。
元の記事:https://aliceevebob.com/2019/10/15/of-projects-products-and-security-community/
2019年10月15日 Mike Bursell

Author: Yuki Kubota

Cloud sales specialist for Telco customers, worked in R&D of Telco equipments for Security area. モバイル通信機器のセキュリティ部分の開発に従事、通信事業者向けクラウドセールス

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