大勢がレビューしていても信用しないという仮説

大勢がレビューしているから、バグがないという考え方。これは神話です。

この記事は https://aliceevebob.com/2017/04/04/disbelieving-the-many-eyes-hypothesis/ を翻訳したものです。
コードを書くことは大変な作業です。
ソースコードを書くのは、もっと大変です。もっと、もっと大変なのです。

セキュリティの機能を実装するコードを書いているとわかりますが、このようなコードは詳細まで精査されたアーキテクチャとデザインに基づいています。

さらに世界中でレビューされるというプロセスを経た、パーフェクトで破られることがないスタンダードが反映されているかもしれません。
(「パーフェクトで破られることがない」まあ、本当かどうかは置いておいて、そう仮定しましょう)

が、このようにデザインとアーキテクチャが素晴らしくても、実際のソフトウェアに組み込むのはとても特殊なことです。

数学的にソフトウェアが正しいと証明されても、実現しようとしている機能が正しく実装できるソフトウェアを書くということは、科学と芸術の間にあるようなものです。(デザインとアーキテクチャに寄るとは言っても結局自分が何をしたいかに寄るのですが。)

ソフトウェアをデバッグしたり、ソフトウェアに踏み入ることでその正確さを推測しようとする人にとっては、当然のことです。ただ、このブログ記事のポイントではありません。

誰も(コードを5行以上書いたことがある人、Perlでだったら6行)実際にソフトウェアがこのプロセスでパーフェクトになるとは思わないでしょう。
しかしソフトウェアは出来るだけパーフェクトでバグがないよう作るべきだ、というのはわかってもらえると思います。
だからこそ、コードレビューはソフトウェア開発の中心なのです。

ラッキーなことに(少なくとも私的には)、私たちが日々使うコードのほとんどはオープンソースです。これは誰もがコード見ることができ、何千もの人にレビューしてもらうことができる、ということです。

ここで問題が生じます。
オープンソースがたくさんの人にレビューされるということは、全てのバグが解決されるという考え方があります。

これは神話です。とても危険な都市伝説です。

先ほどの考えには二面性があります。
一つ目は、「ビルドすれば、出来上がる」という間違った考え方です。
世界中に全てのウェブサイトがリストされていた昔、そこにあなたのウェブサイトを登録すれば皆さんに見てもらえると思った時代があったでしょう。
(私も登録しました。見てもらえました。これは奇跡です)

同じように、オープンソースプロジェクトは(おそらく)少なかったので、たくさんの人がコードレビューしてくれました。
このような時代は終わりました。ずっと昔に。

二つ目に、セキュリティの機能を、良い例として暗号化の基礎などですが、正しくレビューできる人はすごく少ないのです。

ベンダー特有のコードに問題が少ないという訳ではありません。むしろ、正反対です。
ベンダー特有のコードのデザインやアーキテクチャがレビューに対してオープンになっていない、ということではなく、コードを見てくれる人が少なくてヒエラルキーなプレッシャーと組織的な考え方に寄る危険性がとても大きいということなのです。

「ベンダーのコードは安全だ」というのは神話というより、フェイクニュースでしょうね。
多くの企業がセキュリティソフトを隠したい理由がよくわかります。
「知的財産の保護」と彼らがよく言うのは、実際リリースするのに安全ではないからなのではないか、と心配してしまいます。
私にとってセキュリティソフトとは、一貫して「オープンなソース」なのです。

では、何ができるでしょう。
セキュリティを気にする企業や組織はリソースを割いて機能を実装したりコードのチェックやレビューができるはずです。そして、そうする責任があると私は考えます。
その部分に私の勤めるRed Hatがコミットしているのです。

同時にオープンソースコミュニティはクリティカルなプロジェクトをサポートし、コードに含まれるレビューの数を増やそうとする方法を探しているのです。(例えば Linux FoundationCore Infrastructure Initiativeです)

さらに学術組織に、オープンソースソフトの大切さをハイライトすることはもちろん、セキュリティソフトの書き方とレビューという暗黒アートを
生徒に訓練させるよう推奨する必要があります。

改善できることはあるでしょう。事実、改善もしています。
「多くのレビュー(略)神話」はコードを改善できないという訳ではなく、むしろできるということを認識しなければいけません。ただ、もっとエキスパートのレビューが必要だということです。
元の記事:
https://aliceevebob.com/2017/04/04/disbelieving-the-many-eyes-hypothesis/
2017年4月4日 Mike Bursell

Author: Yuki Kubota

Cloud sales specialist for Telco customers, worked in R&D of Telco equipments for Security area. モバイル通信機器のセキュリティ部分の開発に従事、通信事業者向けクラウドセールス

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